H-IIAロケット wikipedia|無料辞書
|打ち上げ数 = 15回
|成功数 = 14回
|開発費用 = 1,200億円
|打ち上げ費用 = 85 - 120億円
|姉妹型 =
|公式ページ = http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/
|公式ページ名 = JAXA - H-IIAロケット
-->
◆ 概要
H-IIAロケットは、急激な
円高により失われた日本のロケットの国際競争力を回復させるため、先代の
H-IIロケットを全体にわたって再設計し、海外の安価な製品を利用、構造の簡素化などにより打ち上げ費用の削減と信頼性の向上を図ったものである。
開発費は約1,200億円であり、元になったH-IIロケットの開発費の2,700億円とあわせると約3,900億円である。この額は、
欧州宇宙機関(ESA)の主力ロケット、
アリアン5シリーズの開発費である約1兆500億円の37%となる。
打ち上げ費用は、構成によって異なるが、約85億円〜120億円であり、H-IIロケットの140億円〜190億円に比べると大幅に低減されている。
静止トランスファ軌道への打ち上げ能力は3.8〜5.8
tであり、H-IIロケットと同等〜約1.5倍の能力である。
2001年夏に試験機1号機が打ち上げられて以来、15回中14回の打ち上げに成功しており、成功率は約93.3%である。
◆ 特徴
コア機体は、
液体水素と
液体酸素を推進剤とする1段目・2段目を組み合わせた、2段式ロケットとなっている。打ち上げ時に十分な推力を得るために左右2基の
固体ロケットブースタ(
SRB-A)を有し、搭載する衛星・探査機等の質量に応じてさらにSRB-Aや固体補助ロケット(SSB)を追加して柔軟に対応する事ができる。複数の衛星を同時に打ち上げて、個別の軌道に投入する事もできる。
基本的には H-II の設計コンセプトを踏襲するが、全体にわたり調達・組立・打上げ費用を下げるための見直しが行われている。また、部品技術の国産化にこだわらず、有利であれば輸入品も用いた。これは H-II で国産化にこだわったことから後退しているように見えるが、技術を習得したからこそ有利に購入できるという面もあり、自主技術を持つこと自体は依然有意義であるとされる。また、部品点数・作業工程の低減は信頼性の向上にも貢献する。これらの費用改善を行った結果、H-IIロケットで最高約190億円であった打ち上げ費用を、世界市場の相場である100億円未満まで下げることができた。
H-IIからの主な変更点を以下に記す。
・ 第1段エンジン
LE-7Aの液体燃料配管系の簡素化による部品点数・溶接箇所など作業工程削減。
・ 第1段推進剤タンクドーム(両端の半球形状の部分)を、H-IIでの溶接組立から、輸入品の一体成型品に変更。
・
固体ロケットブースタを4分割構造から一体型に変更したうえ、ストラットを追加して推力を第1段の最下部に伝達する構造に変更し、第1段の簡素化も図った。
・ 1/2段分離部をアルミ合金から
炭素繊維複合材に変更し軽量化
・ 搭載電子機器の小型・軽量化と配線のデータバス化による配線数の削減
・ アンビリカル(地上設備とロケットを接続する管や配線)を、H-IIでは射座点検塔(射点脇の構造物)と接続していたが、H-IIAでは移動発射台と接続するように変更した。
・ 人工衛星の取り付けを、H-IIでは射点で行っていたが、H-IIAでは整備棟で行うこととした。
・ 前述のアンビリカルおよび衛星搭載場所の変更により、H-IIAは整備棟でアンビリカル接続と衛星搭載の双方を終えて、打ち上げ半日前に整備棟から射点へ移動すれば良いことになった。また、H-IIは衛星を外さなければ整備棟に戻ることができなかったが、H-IIAは打ち上げが中止されても短時間で整備棟に戻ることが可能になった。
・ 同様に、射点設備が大幅に簡素化された。H-II用に建設された第一射点には、アンビリカル接続や衛星取付を行い、観音開き式にロケット全体を格納することもできる射座点検塔と呼ばれる構造物が建設されたが、H-IIA用に増設された第二射点は、気象観測用の簡素な塔を設置するだけで済んだ。第一射点の射座点検塔はH-IIAでは使用しないため、一部撤去されている。
◆ 構成と諸元
◇ 主要諸元一覧